なぜスキンシップがないとだめなのでしょうか
新生児には、お母さんの優しい語りかけや、授乳、オムツ替えといったものによるスキンシップがどうしても不可欠です。では、なぜスキンシップがないとだめなのでしょうか。スキンシップが欠如して育てられてしまった、ある例をご紹介してみましょう。1965年にアメリカ・ニューヨーク州であった話です。
食道部分がうまく形成されないまま生まれた赤ちゃんがいました。食道ができていないということは、おっぱいも飲めないということです。そこで、胃に穴をあけ、チューブで栄養補給をするという方法がとられました。お母さんはもちろん、授乳などできるはずもなく、病院からチューブの使い方を教わって退院しました。お母さんは、チューブが外れることを心配して、1年以上も赤ちゃんを抱っこすることもしませんでした。
そのお母さんはとても赤ちゃんのことを愛してはいましたが、1年3ヶ月たっても、普通の子供の8ヶ月時の状態で、発達・発育状態が悪く、精神的にも欝がひどく、いつも元気のない様子で眠ってばかりだったといいます。スキンシップがない、それだけで、胃から栄養は補給していたというのに、かなりの発育・発達の遅れをとってしまっていたのでした。スキンシップがあると、どういう効果があるかというと、赤ちゃんの大脳の視床下部を刺激します。すると、情緒安定させるホルモン分泌の働きを発育させていきます。しかし、スキンシップがないと、情緒安定のホルモン分泌が十分ではないため、不安、欝、暴力、怒りといったものを促進させるホルモン分泌が過剰になり、結果として、アンバランスな情緒の子供が育ちがちです。働くお母さんであっても、半年はお家にいたほうが情緒安定した賢い子供になる可能性が高くなるでしょう。